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【完全解説】『天は赤い河のほとり』最終話のあらすじとネタバレ!ユーリがヒッタイトに残る「決断の真意」とカイルとの愛、そして番外編で明かされた子孫が紡ぐ未来

「天は赤い河のほとり」最終話のあらすじとネタバレ、結末の全て アニメ

『天は赤い河のほとり』完結から見える、愛と歴史が紡ぐ永遠の物語

鈴木夕梨、通称ユーリ。彼女は結局、現代日本に戻ることなく、古代ヒッタイト帝国で愛するカイルの妃として生きる道を選びました。そして子どもたちにも恵まれ、幸せな人生を送ったのです。

この結末を知った時、私も含め多くの読者が複雑な気持ちになったのではないでしょうか。もちろん、ユーリとカイルの愛が実った喜びはあります。

でも同時に「日本に残された家族はどうなったの?」という疑問も拭えませんでした。実際、読者の間でもこの点については議論が分かれているようです。

今回は、この壮大な歴史ロマンファンタジーの最終巻で描かれた感動的な結末と、その後のエピソードについて、思いつくままに語ってみたいと思います。

ネタバレ満載ですので、まだ読んでいない方はご注意ください。

この記事でわかること
  • 漫画『天は赤い河のほとり』の概要
  • 主人公ユーリの古代での人生
  • 最終回の結末とその後
  • 主要キャラクターと魅力
  • 史実とフィクションの融合
  • 番外編や外伝の情報

徹底解説「天は赤い河のほとり 最終話」あらすじとネタバレ!涙のワケ、最終話で描かれた愛の決着点

ユーリの人生をかけた決断

物語のクライマックスで、ユーリはついに現代への帰還を諦め、ヒッタイトで生きることを決意します。カイルの正妃、つまり「タワナアンナ」になる道を選んだのです。

この選択に至るまでの彼女の葛藤を思うと、本当に胸が締め付けられます。

愛するカイルを救いたい気持ちと、日本の家族への思い。その間で揺れ動きながらも、最終的に自分の心に従った彼女の勇気には、ただただ頭が下がる思いでした。

心からのプロポーズと新たな命の兆し

ユーリがタワナアンナの位を継ぐことが決まった時、カイルは改めて彼女にプロポーズしました。「どうか、わたしの妻になってほしい」。

この言葉の重みったらありません。私も読みながら、涙がこぼれそうになりました。

そしてなんと、婚儀の日にユーリは自分の妊娠に気づきます。

以前、カイルとの最初の子を流産するという辛い経験をしていた彼女にとって、この新しい命は何物にも代えがたい宝物だったに違いありません。王宮や神殿に集まった人々の祝福の声が、まるで聞こえてくるようでした。

理想的な治世と、その後の運命

カイルとユーリが築いた治世は、まさに理想的なものでした。30年という長きにわたって、ヒッタイト帝国は史上最大の繁栄を迎えました。

ユーリは3男1女を産み、カイルも生涯、彼女以外に心を向けることはありませんでした。側室を持たなかったというのも、彼の愛の深さを物語っています。

ただ、栄華を極めた帝国も永遠ではありませんでした。ユーリが亡くなってからわずか1年後、カイルも彼女の後を追うように息を引き取ります。

そして約150年後、ヒッタイト帝国は歴史の闇に消えていったのです。「海の民」の侵攻説や疫病説など、滅亡の原因については諸説ありますが、真相は謎のままです。

現在のトルコ共和国、アンカラから東へ150キロほど行ったところに、ハットゥサの遺跡が乾いた風だけが吹く、静寂の中にひっそりと佇んでいます。

作者の篠原千絵先生がこの遺跡を訪れた時に受けた感動が、この作品の出発点だったというのも、なんだか運命的ですね。

天は赤い河のほとりの最終話、あらすじネタバレ!番外編で描かれた、その後の世界

最終巻の28巻には、ユーリとカイルのその後を描いた番外編が3話収録されています。

正直、この番外編があったおかげで、読後感がずいぶんと救われた気がします。

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「キックリの一日」- 平凡だけど愛おしい日常

馬事総監となったキックリの日常を描いたこのエピソードが、私は結構好きです。

キックリといえば、ユーリの忠実な侍従で、カイルのチャリオットの御者でもあった人物。彼は双子の姉妹、リュイとシャラを妻に迎え、なんとそれぞれから双子を授かっています。

男の子がヤズとキシュ、女の子がバハルとギュズ。なんて賑やかな家庭なんでしょう。

一方、義姉のハディは相変わらず独身を貫いていますが、女官長としてバリバリ働いています。「絶好調のお局様」なんて陰口を叩かれながらも、本人は至って元気そうで何よりです。

この話の中で、ユーリとカイルには4人の子どもがいることが分かります。子どもたちを寝かしつけた後も、二人はまだまだラブラブ。微笑ましい限りです。

そして面白いのが、キックリが毎日の馬の調教の様子を粘土板に記録していたということ。それが数千年後に発見されるという設定は、この物語の壮大さを改めて実感させてくれます。

「カッパドキア奇譚」- 変わらぬユーリの正義感

カイルとの結婚から十数年後のユーリが主人公のこのエピソード。彼女は相変わらず若々しい見た目を保っていますし、正義感と行動力も健在です。

ここで助けることになる少女トゥーイは、後に長男デイルの寵姫となる運命にあります。

印象的なのは、成長した皇太子デイルの姿です。

母親の勝手な行動を諌める彼の様子を見ていると、ユーリがただのヒロインから、一国の母として、そして未来を担う子どもたちの親として成長したことがよく分かります。

親子のやり取りには思わずクスッとしてしまう場面もあって、読んでいて心が温かくなりました。

「オロンテス恋歌」- 受け継がれる意志と新たな選択

これは、カイルとユーリが亡くなってから数十年後の物語です。主人公はユーリの孫にあたるユーリ・ナプテラ。

彼女はカイルとユーリの三男、ハットゥシリ3世の第一皇女で、生まれながらにエジプトのラムセス2世の妻となる運命を背負っていました。

でも、マリバスという青年と恋に落ちた彼女は、最終的に駆け落ちという道を選びます。

賛否両論ありそうな選択ですが、私には理解できる気がします。

人生は一度きりですし、自分の幸せを追求する権利は誰にだってありますよね。

結果的に、曾孫のエイミ・ハクピッサが身代わりとしてラムセス2世のもとへ嫁ぐことで事態は収束します。

このエピソードは、ユーリとカイルが目指した「民が安心して暮らせる国」という理想が、子孫たちにもしっかりと受け継がれていることを示しています。それぞれが自分なりの方法で未来を切り開いていく姿には、深い感動を覚えました。

作品の魅力を改めて考えてみる

驚異的な人気の秘密

『天は赤い河のほとり』の人気は本物です。2019年3月時点で、電子版も含めた累計発行部数は2000万部を突破しています。これは本当にすごい数字だと思います。

でも、なぜこれほどまでに愛され続けているのでしょうか? 私なりに考えてみました。

ユーリが現代に帰らなかった理由

実は、多くの読者がモヤモヤしているのがこの点です。

「日本の家族はどうなったの?」「本当にこれで良かったの?」という疑問は、確かに理解できます。ユーリがデート中に突然失踪したとなれば、日本では大騒ぎになっているはずです。

家族の心配を思うと、胸が痛みます。

作者の篠原千絵先生によると、もともとサスペンス要素を加えるために「現代人のタイムスリップ」という設定を採用したそうです。

でも、主人公が現代と古代を自由に行き来する設定にしてしまうと、同時期に連載されていた『王家の紋章』と似すぎてしまう懸念もあったらしいです。

また、日本に残された家族のエピソードを本編に組み込んでしまうと、「救いようのない悲しさ」だけが残る内容になってしまう可能性もあります。確かにそれは避けたいところですね。

私自身は、この選択は物語の焦点を古代ヒッタイトに集中させ、より深い歴史ロマンを描き出すために必要だったと思います。

ユーリの決断は、彼女の成長と覚悟を示す重要な場面でもありました。

史実とフィクションの絶妙なバランス

この作品の大きな魅力の一つは、史実とフィクションの巧みな融合にあります。紀元前14世紀のヒッタイト帝国という、史料の乏しい時代設定を選んだのは、まさに慧眼だったと思います。

篠原先生は執筆にあたって、ヒッタイト研究者の大村幸弘氏の資料を読み込むなど、8年間も準備に費やしたそうです。

その努力の甲斐あって、カイルの異母弟ザナンザ皇子のエジプト婿入り失敗事件のような実際の史実と、フィクションが見事に織り交ぜられています。

個人的に感動したのは、有名なネフェルティティの胸像の片目に黒目の石がない理由を、黒玻璃のイヤリングのエピソードとして物語に組み込んだ発想力です。

こういう細かい工夫の積み重ねが、作品の説得力を高めているのだと思います。

私自身、世界史はそれほど得意ではありませんでしたが、この漫画を読んでからヒッタイト帝国やムルシリ2世についてもっと知りたくなりました。きっと同じような読者は多いはずです。

魅力的すぎるキャラクターたち

この作品の最大の魅力は、間違いなくキャラクターたちの「かっこよさ」にあります。私はそう断言したいです。

ユーリ

まず主人公のユーリ。彼女はただのタイムスリップヒロインではありません。戦闘能力、指揮能力、マネジメント能力、プレゼンテーション能力…まるで何でもできるスーパーウーマンです。

おまけに美人で、体力も根性も人一倍。ちょっと完璧すぎて「本当かよ」と思う時もありますが、その努力家ぶりと正義感の強さが、読者の心を掴んで離さないのでしょう。

カイル

そして男性陣も素晴らしいです。カイルは最初こそプレイボーイっぽい印象でしたが、ユーリと出会ってからの変化がすごい。

彼女しか見えなくなってしまう「溺愛ぶり」は、見ていてこちらがドキドキしてしまうほどです。平和への願いと深い愛情を併せ持つ理想の王子様ですね。

ラムセス

ライバルのラムセスも印象深いです。野性的でイケイケな男でありながら、ユーリとカイルには案外甘いところを見せる。そのギャップがたまりません。

特に、自分に不利になるとわかっていても、命がけでユーリを守ろうとする姿には胸を打たれました。

ザナンザ皇子

個人的に一番心を奪われたのは、ザナンザ皇子です。カイルの異母弟で、ユーリを愛しながらも兄のため、そして自分の使命に殉じていく健気さ。

彼の物語は本当に切なくて、2018年に公開された番外編の主役が彼だった時は嬉しさのあまり飛び跳ねそうになりました。

『王家の紋章』との違い

よく比較される『王家の紋章』との違いについても触れておきたいと思います。どちらも現代の女子高生が古代にタイムスリップして皇子と恋に落ちるという、基本設定は似ています。

決定的に違うのは、『天は赤い河のほとり』がきちんと完結していることです。

伏線もしっかり回収されていますし、読後感も良いです。

また、『王家の紋章』のキャロルが知略で危機を乗り越える「頭脳派」なのに対して、ユーリは自ら剣を取って戦う「行動派」。この違いが、作品全体の雰囲気を大きく分けています。

私はユーリの「自分で運命を切り開いていく勇ましさ」に、当時とても勇気をもらった記憶があります。きっと多くの読者が同じような気持ちだったのではないでしょうか。

最後に:「天は赤い河のほとり」最終話のあらすじとネタバレ

『天は赤い河のほとり』は、現代の女子中学生だった鈴木夕梨が古代ヒッタイト帝国で皇妃「タワナアンナ」となるまでの、壮大な愛と歴史の物語でした。

最終巻で描かれたカイルからの感動的なプロポーズとユーリの妊娠、そして彼らが築いた理想的な治世。さらに番外編では、二人の子孫たちが それぞれの方法で未来を切り開いていく姿が描かれ、作品全体に深い余韻と希望を与えています。

確かに、日本の家族との永遠の別れという悲しさは残ります。でも、ユーリが古代で得た愛と、子孫たちへと続く「生きた証」は、多くの読者の心に強く刻み込まれました。

何年経っても色あせることのない、まさに「不朽の名作」だと私は思います。

時々、ふとした瞬間にこの作品のことを思い出します。そして、自分も人生をかけて何かを選択する時が来たら、ユーリのように勇気を持って決断したいと思うのです。きっとこの気持ちは、これからも変わることはないでしょう。

覚えておきたいポイント
  • 紀元前ヒッタイト帝国が舞台
  • 女子中学生ユーリがタイムスリップ
  • カイルとユーリの恋の行方
  • ユーリは現代日本に戻らず
  • 最終回でユーリが妊娠する
  • ヒッタイトは後に滅亡する
  • ファンブックにエピローグ収録
  • ザナンザ皇子は実在の人物
  • ラムセスはカイルの好敵手
  • タワナアンナの位を目指す
  • 宝塚歌劇団で舞台化された
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